| 【リハビリ長編】宇宙(はて)なき夢のクレセリア:4 |
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| 場所は変わって、ここはシンオウ地方随一の科学研究都市 ユニバシティ。 テンガン山以西の中では、都市の規模としては大きいものの、人口密度は低く (というよりも、人そのものが少ない。研究設備の充実からシティと呼ばれている。) 大半が研究設備と研究資材によって構成されている完全なる科学の為の都市だ。
そんな科学都市を訪れた3人と1匹の旅人たちは、これまでの旅の疲れを癒そうと どこの町にも必ずあるポケモントレーナーとポケモンの為の休憩施設、ポケモンセンターを タウンマップ片手に目指していた。
「それにしてもほとんどの人がメガネと白衣だな。」
「キマってないわけじゃないけど、オシャレな感じはしないよね。」
「科学者の町だから、仕方が無いのかもな。」
共に歩く ねずみポケモン ピカチュウがうんうんとうなづく。それもそのはず いそいそと道行く大半の男性は度が強そうな黒縁メガネを掛けているか、少し汚れた 白衣を着用している。それも私道や敷地内ではなく、一般の公道でだ。
前述の通り“完全なる科学の為の都市”なので、逆に彼らのような旅人の方が実は異質。 多少小汚い研究員だらけなのは、別に不自然なことではない。 ただ、何も知らぬ旅人たちにとっては、これは驚くべきことである。
「虚量子回路の最適化演算なんだけど・・・」
「新金属精製の件で・・・」
「DNA解析と、局部利用の資料は・・・」
時より聞こえてくる全く“異次元の会話”に、旅人たちは顔を見合わせて苦笑いを浮かべる。 しかし、そんな“異次元の会話”から生まれ出るものに、現在の利便があることを考えると 自分たちが何だかちっぽけな存在に思えた。
そんな会話をときどき耳にしながら、無機質でどこか寂しい街を旅人たちが歩いていく。 周りの風景を見ながら歩いているので、その歩みは少し遅い。 忙しなさの中で別の時を歩むこの旅人たちこそ、この街に住むものからしてみれば それこそ“異次元”の存在であっただろう。
「んっ・・・」
ふぅっと吹いた一陣のやわらかい風に巻き上げられた砂埃が、旅人の1人、帽子の少年の視界を一瞬遮る。 歩みを止め、2人と1匹に1人遅れをとりながら、目をこすって砂を目から取り除く。 目をぱちぱち瞬かせて、目に異常が無いことを確認すると遅れた分を取り戻すために 少し早足で2人と1匹を追いかける。
「・・・ん?? 誰か、来るぞ?!」
2人と1匹の1人、細目の青年が、100メートル程離れた先にいる人影が こちらに向かってきていることに気付いた。 結構早いその移動速度と、騎乗した人影から、何かポケモンに乗ってこちらに 向かってきていることがよく分かる。 しかし、街中をポケモンに乗って疾走してくるとは・・・法規的、モラル的に少しよくない。
その迫る人影を止めようとする良識ある研究員が数人いたようだが、 疾走する勢いに圧倒されて誰一人それを止めることができない。 まるで、長年探し求めていたものを見つけたときのような勢いで 最早つっこんでくる人影に3人と1匹は驚きながらも身構えた。
「・・・レッドさん、縮みました?」
砂煙を上げ、3人と1匹の目前で絶妙なブレーキを決める みつごどりポケモン ドードリオの足。 そして、その乗り手の開口一番の質疑に、3人と1匹はとにかく何がなんだかよく解らない。 呆気に取られている旅人たちを尻目に、ドードリオの背から1匹のピカチュウがピョコリと降りてきた。
耳の辺りに小さな花でオシャレしているところを見ると、どうやら♀のピカチュウのようだ。 その♀のピカチュウは、旅人たちのピカチュウの前に行くと、その周りをクルクル回り 時より鼻をクンクンさせながら旅人たちのピカチュウを確認していく。
「・・・・・・。」
♀のピカチュウはあらかたピカチュウを確認し終えると、肩を落として落胆しながら ドードリオの背中に戻って行った。旅人たちのピカチュウは、それをポケーっと見送る。
「あの~、なにがなんだか・・・??」
「すいません、私の知っている人によく似ていたので」
その声を聞いて初めて、ドードリオの背に乗っている人物が女性であることに 気付いた旅人たち。 金髪のポニーテールがふたたび吹いたやわらかい風になびくと 森の木々の香りがほのかに漂う。 やわらかく、あたたかな雰囲気を持った存在感は 旅人たち以上に“異次元”を感じさせた。
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2月15日(月)00:02 | トラックバック(0) | コメント(0) | リハビリ長編 | 管理
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